
バイオクロマトに就職する前は研究者専門の人材派遣会社に勤めており、派遣先の大手化粧品メーカーで実験業務に従事していました。
仕事にやりがいは感じるものの、いつ派遣を切られるか分からない不安や、派遣先が遠ければ引っ越しも必要になり、
そこでまた人間関係を作らなければならないと考えると何十年もそこで働く想像がつきませんでした。
将来へ不安を抱えながら働いていると、
同じ業界で勤める知人から「バイオクロマトに転職するから一緒に働かない?」と声をかけていただきました。
日頃から仕事でバイオクロマトの分析装置を使用していましたし派遣期間も残り1年。
これまでの経験も活かせると思い契約満了を機にバイオクロマトへ転職をしました。
使い馴れた分析装置

私の仕事は受託分析といってお客様の「知りたい」というお困りごとを解決する仕事です。
例えば「新製品の清涼飲料水を開発する参考に他社清涼飲料水の匂い成分を知りたい」とか
「プラスチック製品を同じ製法で作ったはずなのに、以前に作ったものと比較すると強度が変わってしまったのでその差を知りたい」
など依頼内容は多岐にわたります。
私が担当している直接分析法で用いる装置(自社開発製品ChemZo:ケムゾー)は、操作法もシンプルで便利な製品です。
しかし試料によっては、ちょっとしたコツなど、身に着けるべき技術が、沢山あります。
また、その技術をより、わかりやすくお客様に伝える事も私の大事な仕事です。
正解のない分析で答えを求めるためには経験と勘、そして地道な努力が必要です。
試行錯誤して導き出した答えでお客様の「知りたい」が「そうだったんだ!」に変わる瞬間に立ち会えるのもこの仕事の魅力です。
以前とある大学の教授から受託分析を相談されたことがありました。
もともと別の業者に依頼されていたそうですが「サンプル量が少なすぎる」と断られてしまったとのこと。
私たちは流れ作業で分析するのではなく、少量でも一つ一つ測りながら分析ができるので「大丈夫ですよ」とすぐに対応したところ
大変喜ばれ、その後も継続してご依頼をいただけるようになりました。
教授の研究室にお招きいただけたときは信頼してもらえたんだと嬉しくなりましたね。
バイオクロマト“だから”できる仕事


この会社の良いところは自分の意志で「やりたい!」と思ったら何でもできるところ。
受託分析をしていると「こんな装置があったらいいのに」と思う瞬間や、お客様から「こういう分析できない?」と
ご要望をいただくことがあります。
それらの内容を開発部で話し合い、手作り感満載の試作品装置を作って、私の部署で基礎データを取って商品に育てていきます。
大手の会社だと上司の許可を取って、そのまた上の上司の許可を取ってと決裁までに何カ月もかかることがありますが、
女性9名男性8名がひとつ屋根の下で働いているので社長をはじめ、営業部、開発部、生産部と距離が近く、相談しやすい環境
だからこそスピード感をもって行動できるのだと思います。
入社3年目、まだ私が手掛けた装置は製品化されていませんが、営業さんから「海外で何個売れました」という話を聞くと
「いつか私が開発に携わった装置も世界中で活躍するんだ!」と今からワクワクします。
私たちが開発した装置や分析データが直接誰かを救うわけではありませんが、製薬会社や研究機関で使われることで新薬の開発や
新技術に貢献し、巡り巡って社会の役に立っていると思います。
もともと人前で話すことが苦手で前職は同じ部署の人とだけで仕事をする狭い世界でしたが、今は海外からラボの見学に来て下さる方々と
交流したり、分析機器の展示会で学会発表をさせていただくなど視野も広がりました。
これからも新たなことにチャレンジをして、私自身気づいていない自分の“可能性”を明らかにしていきたいと思います。
まだ世に無いものを藤沢から世界へ